2015年10月5日月曜日

LoL WCS2015 3日目と4日目の感想

その日毎というのは難しそうなので2日毎程度のペースで書いていきたいと思います。Playoffになったらまた変化しそうですが。
さて今回の感想ですが、Ban/Pickの感想とちょっとした考察、そして大会への印象とその原因をまとめてみました。




・Ban/Pick




未だB/P率100%を維持しているのはEliseとGPのみとなりました。EliseはBanされるよりもPickされる試合の方が多く、一方のGPはEliseとは逆でBanされる試合の方が多いです。

Eliseは序盤の圧力アイテムビルドの多様性による構成への順応性の高さといったところが評価されているのだと思います。各試合のEliseのビルドを確認すると、Runegraiveを買う人もいればCinderhulkを買う人もいて、さらにはそこからTankに進むかダメージを出しにいくかがわかれています。例えば敵陣へ飛び込んでいくエンゲージ構成の場合は前線として機能しなければなりませんからCinderhulkやDead Mans Plateを買うことになります。ゾーニングに主眼をおいた構成であればHuman Mode時のWにRylais Crystal ScepterのSlowを乗せてゾーニングを強化するビルドに進むことが多いですね。この多様性が彼女をB/P率100%たらしめている理由でしょう。

GPはエンゲージにもゾーニングにも有効な強力なULTを有しており、Duel性能に長けていますからSplit Pushも得意、さらには樽による遠距離からの圧力やそれに伴うゾーニングができます。今回のWCSのMetaにかなりあっていますからB/P率100%を維持しているのも当然かもしれません。彼を封じる術を準備しているチームがあればDraftで優位にたてるのですが、そういったチームはいるのでしょうか。










ついにMordekaiserが解禁されました。Pickされたのは2試合、1試合目は実力差のあるチームの戦いでしたから参考にすべきか迷うところです。2試合目はTSM vs LGDという対戦であり、強さの一端が垣間見えた気がします。強力なLane Push性能と、それによるBot周辺からDragonにかけての視界掌握能力、そしてDragonを確保した時の驚異的なSiege性能には目を見張るものがありました。Swapで対処しようにもDragonというSiege Unitをどうすればいいのか悩むところですから、Banされるのも頷けるものでした。Imp選手がMordekaiserの3発目のQでHPを6割以上吹きとばされているシーンが印象に残ったかたもいると思いますが、個人的にはBotのInhibitor TowerをDragonを活かして楽々と破壊したシーンが印象に残っています。

それと推測でしかないのですが、韓国や中国のチームはMordekaiserを戦術に組み込んだ練習をしていないのではないかと思っています。KTは青側にも拘らずBanしていましたし、KooのPray選手が使っている姿が想像できません。KooはTopのSmeb選手のイニシエート能力に不安があり、それをPray選手にAsheを使わせることで補っていると思われます。ですからMordekaiserのようなイニシエート能力のないChampionをPray選手が使ったらFW戦のように効果的な集団戦ができずに終わってしまうのでは、という危惧があります。もちろんGorilla選手がイニシエートの得意なSupportをPickするのでしょうが・・・。いずれにせよ今後はMordekaiserを活かしたDraft戦略が実践されていくと考えています。










2日目までは1勝しかできていませんでしたが、3日目4日目ではPickされた試合は全て勝っています。相方はLate Game Carryであることが多く、構成をみてもADCを守る構成であったりゾーニング構成であったりとBraumの特性を活かしやすいものになっています。

Braumともう1人ゾーニングが得意なChampionをPickすることでADCを守ったりゾーニングする構成がやりやすくなります。問題はそこをどう突破するかであり、1つの回答はGPをPickしてULTで強引にエンゲージすることでしょう。しかしご存じのとおりGPはほぼ確実にBanされてしまいます。ここまでのところMorganaのBlack ShieldでCCをかいくぐる方法とAnnieのAoE CCで強引にエンゲージする方法が成功しているように思います。他の方法がでてくればDraftがより面白くなるのですが、編み出しているチームはあるのでしょうか。


・Upset

1週目を終え、ここまでのところのWCSへの印象はなにかと問われれば多くの人がジャイアントキリングの大会、もしくはそれに準じた表現で答えるでしょう。WCS開幕前に想定した以上に各地域間の実力差が埋まっているようです。なにか理由はあるのでしょうか?

1つにはやはり選手の国際的な移籍により各地域における競争が活発化したことがあげられるでしょう。おもに選手の供給源となっているのは韓国になるわけですが、面白いことに韓国人選手を獲得したチームがWCSで活躍できているわけではありません。OrigenにしろC9にしろCLGにしろ、韓国人選手はスタメンにはいません。EU/NAには韓国人選手を獲得したチームが多くあり、それらのチームに対抗するために、個人技だけではなくチーム戦略を1年かけて練り上げた成果がでているのかもしれません。

もう1つ、Metaが急激に変化したことが理由になっていると思います。WCSのMetaはPatch 5.16に源流をもっているわけですが、Patch 5.16以降競技シーンが行われたものは中国のWCS予選を除いてありません。そして面白いことにその中国がMetaに適応できていません。この理由は次の項で述べたいと思いますが、いずれにせよ全てのチームが同じスタートラインからヨーイドンでMetaへの適応を開始したわけです。そうなったときに威力を発揮するのはサポートスタッフと練習環境の充実でしょう。EUとNAはその点における改革が今回のWCSで実を結んだのかもしれません。韓国チームはさすがという感じでMetaへの適応をみせていますが、しかしDraftで優位を作りきれてない試合もあり、各地域の充実度というものが徐々に韓国の牙城を崩しつつあるように思います。

最後に中国チームの絶不調でしょうか。EDGはSKTを相手にしているわけですから仕方ないにせよ、LGDとiGの酷さには目を覆いたくなります。なぜこれほどまでに酷いのでしょうか。中国シーンに詳しいライターの方が興味深いツイートをしています。

「LGDとiGは練習時間を有効活用できなかった。コーチングのせいでもあり、選手の怠惰な態度によるものでもある」というような訳であっていると思います。さらには「中国はScrimをまじめに行わない文化がある。彼らはScrimを価値のないものだと判断している」というツイート等もあります。またIGのTopであるZzitai選手へのインタビューを英訳したツイートも興味深いです。


LGDとiGは問題点を修正できるでしょうか。iGはとりあえず1勝を上げましたが、LGDはいまだ勝てていません。1週目を終えて全敗のチームはLGDとBKTだけです。練習にまじめに取り組むことができなければ今回のWCSを境に中国シーンの凋落が始まるかもしれません。


以上で今回の記事は終了です。試合ごとの分析は気が向いたらやるかもしれませんがやらないかもしれません。

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